2013年11月26日火曜日

近況と「もうひとりの息子」

とある方がアルトを購入したいということで楽器屋さんにお付き合いいたしました。
シルバーが希望とのこと。
シルバーのアルトは最近あまり見ないからなかなか難しいかなと。
時間さえ許せば選択肢はあるんだけどこの方には時間がない。
行った先に良いのがあるのを期待しつつの楽器屋巡り。
2軒目でなんと新品同然のクランポンS-1のシルバーに出会う。
クランポンのサックスはメーカーとしてはいろんな事があったけど、
私くらいのオッサンには憧れのブランド。
クランポンS-1、しかもシルバーなんて珍しい。
試奏しても堅実で実直、
柔らかな音色でとても好感持てたので自信を持ってオススメした。

一方、自分のアルトの状態が良くない。
調整に行かなきゃと思いつつなかなか行けない。
ここに書いたのをきっかけに今週中には行こう!

健康診断の結果が届いた。
血液検査ではほぼ全ての項目がギリギリながら大丈夫そう。
(でも区民検診だから細部に渡ってはいないけど...)
この歳で薬を飲まないでいられるのはありがたいことです。
そもそも医療費にかけるお金だって端くれのミュージシャンにとっては大変。
でも、運動しないとなあ...。お酒も控えて...。


はい映画。
「もうひとりの息子」
フランス映画だけど舞台はイスラエルとパレスチナ。
以前、邦画の「そして親になる」を観たけど、
なんとどちらも同じく赤ん坊を病院で取り違えられた家族の物語。
でもこの二つを単純に比較するのはちょっと難しい気がする。

取り違えられた家族がイスラエル人とパレスチナ人。
難しい環境の中で物語が展開する。
宗教、民族、歴史的背景など重く難しい課題のある紛争地域が舞台だけど、
双方の家族の混乱やお互いを知ろうとする行為が重圧感なく、
以外とドライに描かれている。

自分たちの息子が長年敵対する民族の子供だった...、
それでも実の子供なんだから
否応なく理解しようと努めざるをえないよなあ、なんて。
取り違えられた家族同士の交流もギクシャクしながら進む。
お互い、ある種の話題には触れてはいけないって事を知っているから、
それぞれの人間性とのふれあいを重ねていくしかない。
難しい背景のある民族同士の交流のポイントは
そんなところにあるんだろうなあと。

双方の子供たち(といっても18才の青年だけど)にとっても
自分が何者であるかを否応なく考えざるをえない。
よかったところの一つに、
この2人の青年たちが自分はどうすべきかを手探りながらも実践していくところ。
アタマの固い宗教者、周囲の大人たちが戸惑う中、
行動する姿は自分を知りたい、他を理解したいという意志の力強さを感じた。
でもその行動もドラマチックに表現されているわけではなく、サラッと描いているよう。
重苦しくしようと思えばいくらでも重くできる舞台と題材だけに印象的だった。
希望を感じられるエンディング、マッチョに主張しない空気感。

「そして父になる」とかぶるなと思った点はどちらも母親は強いってことかな。
今年観た人間ドラマの映画ではトップ3に入るなあ、
なんて思いながら映画館を後にした。